えらいこっちゃになりながらも

 実はイタリア人とヤヤコシく(サラ・イネス先生いうところのいわゆる”エエ仲”である)なっている。古くから私の人生を定点観測していた向きには意外であろうが、外国人と付き合ったことがなかったんだよな。今まで、誕生日について「日本人なら数え年だろう!いちいち浮かれるんじゃねえ!」という態度をとってきたのだが、イタリア人が2日にわたっておめでとうを言ってくれたり、シンガポール人が海を越えておめでとう画像を届けてくれたり、生徒がわざわざでかでかと私の年齢を書きこんだカードをくれたり(かわいいじゃないの)、Twitterでみんなおめでとうって言ってくれたりですっかり楽しくなったので、今後は積極的に誕生日アピっていく所存である。そして人生4人目の同じ誕生日のリアル知人を見つけた(間接的な知り合いを含めると10人くらいになる)。なんでそんなに多いんだ。それはそうと誕生日に日本人と別れたりもしているのだが、それはもうどうでもいい。なんだお前。「覚えておくね!」とか言いながらケロっと忘れやがって。気づいても謝ろうとしないし誤魔化そうとするし挙句の果てには「また会いたい。手料理食べたい」って、心底うんざりした。そこは「お詫びにディナー奢らせて!」とかだろう。バカだね。あたしを大事にするならあたしだってあんたを大事にしたのに。

とはいえその日は本当に悲しくてやりきれなくて、友達に心情を吐露したら「お嘆きなさい。そんな日もある。今あなたのためにクグロフを焼いているから」と言ってくれた(その後ほんとに送ってくれた)。40過ぎてっていうか50も近くなってこんな友達が出来たりもする。

病気のほうは思わしくない。調べたら、人体の骨以外の部分が骨になる「骨化」はそこそこ見られる現象のようである。それがどの部位に発生するかでいろいろなのだが、頚椎の後ろを走る後縦靭帯が骨になる後縦靭帯骨化、これが重病扱いで(なんでかはしらん)、一言でいうとあらゆる痛みが時間差で同一もしくは近い部位に発生する病気なのだ。つねられるような痛みとか、しびれるような痛みとか刺すような痛みとか。痛みが皮膚の下で動くし、LED装飾電球みたいに明滅する。昔の人なら呪いって言ったと思う。しかも50%の確率で手術が失敗し、失敗した場合、原因不明の新たな痛みが背部全体に発生して原因不明なので対処法がない。やっぱり呪いである。声帯の近くを切るので声を失う可能性もある。やっぱり呪いである。そうなる前になるべくイチャイチャしておきたい。病苦を越えられるほどの関係だともちょっと思えないし、そこまでつき合わせる気もないし。

実家にはあまり帰れてなくて、どんどん父と暮らす時間が削られて、そして猫は完全に私を忘れてしまった。ワクチンは今年中は無理だろう。