名前の由来

ニャンギーをもらう直前に私は交通事故を起こしていた。単独でけが人のない事故だったが、当時懇意にしていた年上の知人がお見舞いをあげるというので、すまなく思った私は「猫に名前をつけてください」と頼んだのだ。その結果ついた名前がニャンギラスだった。どういう思いが込められているかはわからない。正直微妙だと思ったがお願いしてつけてもらった手前断れないのでありがたく受理して、命名電話を切ったところ、5分後またかかってきて、嬉々として「これからは国際性も必要だからロドリゲス小太郎ニャンギラスにしよう!」とおっしゃるではないか。

その数日前にロドリゲスというショボい悪役の出てくる漫画をジャンプで読んだ私はミドルネームのほうは丁重にお断りして、ニャンギラスが残り、そこから一度もニャンギラスと正式に呼ぶことなく今に至る。

ところが昨年ニャンギーというのがベトナムだかタイだかで連れ込み宿をさす言葉だと知って(フモさんあたりが知ってて黙ってたんじゃないかと勝手に疑惑をもつ私)、一時期改名していたのはそういう訳である。はずみで読んだツルゲーネフが面白くてロシアバレエやロシア文学に傾倒していた頃で、ちょっと古風なロシア風の愛称がよかった。しかし家の中では極めて簡単に「ニャー」と呼ばれている。