街の夢を見る

以前は家の夢をよく見た。昔住んでいた教員住宅にいつのまにか戻っていたり、家族で新しい家に引っ越したり、あるいは自分で借りたりと状況は様々なんだけど、その後の展開は同じ。「あれ、奥にまだ部屋がある」「お風呂場広すぎる!浴槽こんなにあっても使わないよな」「前の人がおいてった家具がそのまま使える」「予想外に広いぞ!」みたいな感じ。チンケなワンルームに住んでる反動だったのだろう。

今、庭付き一戸建て(さくらんぼ食べ放題)に住んでると、もう家の夢ってのは見なくて、かわりに街の夢を見るようになった。大体いつも月島がもうちょっと洋風寄りになったような街で、モノレールとか路面電車が走ってて、散策が楽しい感じ。何か新しく上陸したスイーツを歩き食いしてる。そして思うんだ、ああこれは夢だって。夢だなあ、現実じゃないなあ、目覚めたくないなあ、スタバどころかベローチェもない現実になんか。地元の人には聞かせられないけどさ。スタバなんてケッしゃらくせえやなにがグランデだMの上はLでその上はLLだろうがと思ってたけど、私は今心底スタバに入りたいですよ。

ニューヨーク帰りの私の担当医は「病気を治すなら都会だよ」とはっきり言います。私もそう思う。焼き立てのプレッツェルが食べたい。カニもエビも嫌い。ここはアネクメーネだ。カエルうるさい。何故私の家は北海道なのだ。せめて埼玉や群馬でもよかったじゃないか。学校行事に、伝統的に舞台鑑賞っていうのがあるんだけど、もう問答無用で「来るものをありがたがって見なきゃいけない」感じで、もうそれがいやでいやでいやでいやで情けなくて仕方ないよ。例えばバレエだって、「全幕物をやる」っていうだけで数年に一度の大事業で、ダンサーで選ぶとか演出で選ぶとかじゃないんですよ。CATS見に行く日をタガー役を誰がやるかで決めるなんて夢のまた夢ですよ。CATS終わっちゃったけど。

今日は覆面調査会社の依頼で隣町まで行ったのだけど、閉まってた。日曜に商売休むってキリスト教徒か。キリスト教徒なのか。ああCATSが観たい。もう一度観たい。