教師は入学式どころか始業式を欠席してもいけない

自分の子どもの入学式に出席するために勤務先である学校の入学式に列席しなかったとして叩かれてる先生がいるようなんだけども、まあ当たり前だろうなと思う。新1年生の担任がいない入学式はちょっとねえ。正しいとか正しくないとかじゃなくて、儀式を重んじよという伝統を連綿と受け継ぐ主犯格が学校であるので、先生がそういう横紙破りをしちゃあやっぱりまずいのである。正しいとか正しくないとかじゃなくて、あとあと1年やりづらくなったことは確かだ。

なんだかマッチポンプのような気がする。入学式を特別な日にしたい学校、その思惑にのった親、そしてある人の上に親としての立場と教員としての立場が重なって起きた事件(ってほどでもないが)。入学式は親、子ども、教師の三位一体で成り立つ儀式である。必要不可欠な役者がフタあけた時にいなかったら、他の役者は怒るよ。よく言うでしょう。役者なら親の葬式でも舞台に立てって。いや、実際にこれが葬式VS入学式だったら問題なかったんだけど、入学式VS入学式だったから問題になったわけだ。儀式の並列。私は子どもはいないけれども、いたら学校をとる。あたしたちの米のためだ。

私の知人の小学校教諭は、別教科の教職員免許状をとるためのスクーリングで始業式を欠席したらかげで保護者に悪口言われていた。「自分の勉強をこどもより優先するのか」って。始業式ですよ。しかも1年生でもなければ6年生でもない。彼女よりずっとベテランの副担任がいるのに。これがバカンスだったら言われてもしかたなかろう。入学式でもそうだろう。しかし、長い職業人生を生きていく上でスキルアップのためのたった1日の有給休暇ですらこうなのだから。

自分の子どもの入学式に出席していたのは隠しようがないけれども、始業式欠席については「突然の身内の不幸」とか「急病」というエクスキューズで隠し通すべきだった。

教員は結婚と出産はすべきだが恋愛はしてはならないという建前もあるし(そこすっとばすわけにいかんだろうに)、学校というのは学問だけやってればいいというシンプルな場所ではない。私は終生なじめないであろうと思う。