愚者の祭り

ババア(うちの会社のえらいひと)がどっかでアロマテラピーをかじってきて、イベントをやると言いだし、そこへ入社したのがその昔30万かけてアロマテラピーの資格とった私なんです。

で、うちの事業内容とは一切関係のないアロマ的な祭りが春とこの秋と2度も開催されたのだけど、そらもうお粗末でねえ。もういっそまかしてくれればいいのだけど、あくまでも「せっかく資格があるのだから、私のかわりにやらせてあげる」というスタンスなんです。普通の日当は出ますが、施術に対する手当などはなし。

私、プロなんだけど。プロってお金とるからプロなんだけど。

で、まあそれはいいですよ。でも、素材の調達とかババアがやるというからタッチしないでおくと、消費期限切れの精油とかを、前日になって出してきて使えとか言うんです。宣伝して人呼んで金とっておいて、それが消費期限切れ、自宅で自分が使い中の素材をあろうことか手作りコスメの材料として出してきちゃうんですよ。「私は自分で使っててなんともないから〜」って。そういう問題じゃねえ!というのが通じないのだ。「有資格者である私がやる以上、自宅保管のものは当日使用できません」と言ったよ私は。確かに言った。

そして案の定消毒用エタノールのこととかも一切考えてないし、私は前日まで会場の下見もできなかった。それでも自分なりに考えて不足してそうなものを色々揃えました。精油はババアの目を盗んで安全(そう)なものから優先して客に選ばせるよう誘導。しかしババアとしては期限切れててもうなくなりかけてるこの精油を率先して消費したいのね。しかも光毒性(紫外線と反応して炎症を起こすおそれがある)精油なんですよ。ここにプロがいるんだから聞けというのに。

で、客からとるウン百円の料金が「安い」「わりに合わない」「本来は高価なサービスだってアピールして」とか言うの(この発想の貧乏くさいこと)。でもどう計算してもその2/3くらいでできるで。高い店で高い値段で買うからこうなるんだよ。今時、amazonでちょっくら検索すればいくらでもディスカウント商品出てくるというのに。

つい先日も、この人をなめくさった祭り第二段があったのだが、今度こそ、安全なものを提供せねばならないと思い、精油、基材、持ち帰り用ケースをネットで揃え、当日まで開封せず冷暗所で保管。当たり前。器具や道具も買った。何故なら「これとこれは用意して、これはなくていいです」とか言ってもバアさん理解できないから。「全部こっちで揃えるので大丈夫です」って言わないと。精油についても、下手に何か言うとまた前回の消費期限切れの精油を出されかねないので、何も言わずに自分で買った。

卓上コンロ、耐熱容器、コットンパフ、エタノール精油などなど自腹。これらはあっちに借り、こっちに借り、あるいは家にあるものをちょっと使ったりでどうにかなるものだが、詳細は省くが日々はらわたが煮えくりかえりつつ働いてる私としては、1円たりとも借りを作りたくなかったの!どうせ卓上コンロは必要だったし、耐熱容器は100円ショップにあるし、あのババア耐熱容器7コも買ったくせに、前回の祭りでは3コしか提供出してこなくて、私は3人に施術→4階分を容器洗浄のために上り下り、というルーチンを繰り返したのだ。もうあんなことはごめんだ。ていうか私、膝の神経痛やばいってすごい何度も言ってるんだけど。

あ、香りのサンプルも作ったな。

油脂と容器代だけ会社に請求し、これは払ってもらったけど、あとは何もなし。他のものについては請求したら「買う必要のないものなんで買ったの?」ってなるし。でもね、それでも、今、現場で唯一の安全性と危険性の線引きを知る者として、クリアせねばならぬハードルがあるのだよ。「かかったぶんは請求しなさいよ」と周囲は簡単に言うが、そんな簡単なことではない。

他の施術者はみんなお手当出てるのだが、今回私だけやっぱり何もなかった。これ多分わざとだと思う。「思いあがらないで。あなたはあくまで名代よ」っていう暗黙の威嚇。紀の宮様を清の宮様って数年にわたって言い間違えるようなババアにこういう仕打ちをうけてます、私。せめてネットで安い基材探して買いそろえた手間賃くらい出したっていいと思うけどね。前回の半額のコストになってんだけど。そして、何よりも腹たつことに、今回のイベントの日は市内で別のイベントもあり、かつある学校では参観日だったのだ。そら客来ねえわ。実際来なかった。屋台の数は増えてるの。前回の祭りより。で、そのための施術者メンバーの都合が、「この日しか合わなかった」ということで、この日に実施という運びになったのだが、箱拡げても客が来ないんじゃ、ただコスト上がるだけだよね?私日本語間違ってますか?
「お客さん来なかったねー。でもやれたからいっか」
ってあんた。経営って言葉知ってるか?

観光課の職員が数人、賑やかしのための人柱として終日会場におったが、あんたらはこの日程と内容について何も言うことはないのか。市内で客食いあってどうすんの。誰かこのババアに一言言えるやつはおらんのか。

で、

別の日にババアが朝礼(という名のババアプチサロン)で
「ヘデクさんにマッサージしてもらう夢見ちゃった〜。お金はいいですって言われたんだけど、気持ちだけもらってって言って3000円払ったの〜」ですと。
3000円って、アロマテラピートリートメントの相場からしたら、部分ケアの値段ですけどね。背中だけとか顔だけとかの。全身やるなら万ですぜ。
もう一度言うけど、プロは金とるからプロなんだよ。私は「お金はいいです」なんて言わない。それにあんたの体になんて触りたくねえよ。

ただ、今回少しでも展示に花を持たせようと買ったアル・ホジャリ(乳香)がすばらしく好みの香りだったのだよね。実はアロマ離れした原因は心底好きになれる香りに出合わなかったせいもあるのだけど、このアル・ホジャリはすごいいい香り。マツヤニみたいな見た目の塊を油脂の中で煮溶かして自分用にバーム作った。これが、胸部神経痛にすごいきくの。いやもうこれが最近痛くてさ、がんかと思ったくらい。ちなみにがん検診は無罪放免でした。こういう神経過敏的な痛みには、好みの香りというのはとても効きます。収穫はそれだけ。