ウォーク・ウィズ・ウォーター

この記事を見て思い出したんだけど。
「長崎のストーカーの元夫による「面会交流」殺人事件、警察は何ができたのか」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/sendayuki/20170203-00067296/


最近名前を聞かなくなったけど、ソマリア出身のスーパーモデル、ワリス・ディリーという人がいる。女子割礼を受け、13歳で60代の男性のもとに嫁に出されたが逃亡し、紆余曲折を経て世界的モデルになった稀有な人物であるが、うちのブログを読みに来てくれてる皆さんは私より物知りな人たちだと思うので余計でしたすいません。

で、昔、この人を起用したドキュメンタリー番組で、ディリーがアメリカの学校に行き、女子割礼の実態について彼女が講演した上で、生徒とともに「子は親にどの程度従うべきか」というディスカッションをする、というものがあった。製作は日本ではなく、おそらくアメリカであったと思う。ディリーは「砂漠を横断して逃げた時の恐怖がまだ去らず、水を手放せない」というようなことを言って、ペットボトルの水を常に手に持っていた。
大方のティーンは「命や健康、正義に反する命令には従うべきでない」と主張し、論点は「でもそのラインはどこなのか」にシフトするかに思えた矢先、ある男の子が「不条理だと思っても、親の命令に子どもは従うべきだ」と強硬に主張したのだ。彼の主張は秒速でクラス中からバッシングされ、中立であるはずのディリーからもぶっ叩かれた。それはもうばっさりと彼の言い分を切り捨てて水をあおる姿がなんだか傲慢に見えて(この人がものすごく大変な目にあったことは勿論知ってるんだけど)、ちょっと男の子がかわいそうだったのだ。ていうかね、それでも彼は主張を曲げず、エンドロールを背負ってなおも「僕の考えは変わらない」と繰り返してたんだけど、一体この子はどういう家で養育されているのだろうね?番組はこういう子もいました的な感じで終わったけど、この子は大丈夫なのか?この子どもは本当に、安全な親のもとにいるのか?おそらくっていうか間違いなく、なんか問題あるんじゃないかと思うんだよな。
生きていれば30すぎ、彼も家庭を持っていてもおかしくない年齢であろう。果たして生きているだろうか。