猫が二十歳になりました

つい3週間前までできたことがもうできない。
一雨ごとに弱くなっていく。
もう多分冬は越せないと思う。
あんなにまるまるとして大福だの牛ちゃんだの呼ばれていたのに、骨と皮ばかりで、片手で持ち上げられてしまうようになった。

1月のだるちゃんの突然死もびっくりしたけど、命がじわじわと消えていくのもつらい。
歳をとってこの子はよくしゃべるようになった。呼べば返事をするし、指を差し出すと部屋のずっと遠くのほうからすーっとまっすぐに歩いてきて、指に頬ずりする。
それは猫の習性でもあるけど、とりあえず少なくとも私が危害を加えない人間だということを20年かけて納得しているからだ。
夜はストーブの前から動かない。朝になると、一人で起きているのが退屈らしく、布団にやってくる。布団には入らない。この間まで一緒に寝ていたのだけど、布団が重いらしい。今はもう夜じゅうストーブをつけているからそっちのほうがいいのだ。水もトイレも近いし。

栖鳳の斑猫と同じ柄だが、斑猫と呼ぶには太り過ぎているなと思っていたのに、今では斑猫を通り越してガリガリになってしまった。