デート商法にひっかかりました

とりあえず秋の靴が欲しかったので適当な靴屋に入って6000円くらいのファーつきミュールを買ったんですよ。そしたら商品といっしょにキャッシュで3000円渡されたんですよね。「なんじゃこりゃ」と思って渡された茶封筒眺めてたら「まあ深く考えないで早くそれしまって」ってなこと言われ、その後流れでカウンセリングみたいな感じになったんです。接客してくれたのは男性でした。あとで情報誌見たら「本日最初に入店の方(とかなんかよくわからんがなんかの条件に該当すれば)1万円ぶんサービス!それ以下のお買いものならキャッシュバック」みたいな日だったようです。
どう考えたっておかしいじゃないですか。あたしだって伊達に売り場に立ってねえよ。やばい空気をビンビンに感じたので、すたこらさっさと退店したかったんだけど、どうにもこう、できない。サービスしてもらったし、「お時間ありますか?」と言われてすぐ退店もできないような、ちょっとこう、圧力みたいなものも感じまして、で、入口近くのブースでスモールトークからの「何か音楽を習ってませんか?ヤマハとか」とか、音楽と楽器の関係で2,3訊かれて、その内容から「ああもうなんか高い楽器とか練習メソッドとかローンで買わされる流れ」って思ったので「いやー子どもの頃ピアノやってたけど全然だめなんですよー。いまだにト音とヘ音の記号の区別もつかないしー、それにー音楽の授業とかほんと無理でーそれにー」って、若干残念な子を演じつつ「この客は頭にやや欠陥があるから早くリリースした方がいいよ」な方向にもっていこうとしたんだけど、敵もさるもの、なかなかそうはさせてくれない。粘り腰である。「時間がないんで」とか言って席を立てばよいのだけど(だってすぐそこが出入り口)、問題はね、その男が




倉田てつをだってことです。



あ、夢なんだけどね。




でね、自分の中ですんごい、アラームがガンガンになってるのに、席を立てないの。なぜなら目の前にいるのが倉田てつをだから。しかも全盛期の。彼に全盛期があったならの話だが、あの、あまり説明させないで。今私ものすごく恥をさらしてるので。わかってるから何も言わないで。わかってるから!ほんとわかってるから!!!そこんとこは!!!自覚あるから!!!

でさ、本題はですね、そんな状況下で、バカだと思われたくない、嫌われたくない、カモにされかけてる状況はわかるけどここで席を立ってしまったらもう二度とこの愛すべき大根役者に面と向かって話しかけてはもらえないのが残念でならないっていうアンビバレンツがいかに激しいかってことです。さっさとこの店を出て二度とここには近づかないようにしないといけない、それはわかっているのに、なんとかセールスも回避しつつ、この今にも切れそうなほっそいコミュニケーションの糸をつなぎとめられないだろうか、と考えてしまうのだ。私は思いましたね。「ああ、今までホストにはまって金つぎ込む女とかバカにしてたな・・・デート商法にはまる連中を心底理解不能だと思ってたな・・・でもこういう心理なんだ・・・」って。とても悲しい気持ちで。目の前にいる好ましい人を悪人だと認識しなきゃいけないってとてもつらい。

そこで目が覚めました。

なんかわからんが神さまありがとう。