東藻琴のカマンベール

道産チーズをいろいろ食べてきたけれど、地場産なのに輸入ものと価格が変わらないのはやはり生産ロットの違いなのか。そして高いわりに味は普通なのが多くてねー。ひとつにはあまりに若いせいである。どれもこれもあと1年待ったらどんなにか。

そんな中で東藻琴のカマンベールだけはほんとうにすばらしい。塩気が控えめでがっつりうまみがあり、白カビ独特の金属臭も遠慮なくくさい。すばらしい。その後道の駅だけで町民還元価格で売られているのを見つけた。町民でなくても買える。さらにすばらしい。110グラム507円でこの味が楽しめるなら輸入物のカマンベールもブリーも明治も十勝もかなわない(明治カマンベールが安いときで100g310円、十勝が370円)。ただ惜しむらくは周辺はよくても中心部がまだ固いのだ。ここまでとろとろになったらどんなにうまいか。そしてこのチーズを途中でやめることはできないので結局食べてしまうのだ。

人間の脳は果物(貴重な野生の完全食品)の味である甘味に反応して快楽物質を出すというが、必須アミノ酸である旨みに対してもそうであろうし、やや脱水気味の時の塩にしてもそうであろう。現代では人類は甘味にはことかかないし、甘いものを食べるよりはほぼ同じ価格のチーズを食べていた方が健康によいのではないか。