10キロやせたよ

昨年の地震のとき、3日で非常食を食べきったのを皮切りに15キロ太った。
さすがにひざと腰がやばいことになり、心を鬼にしてダイエット。バレエとジャズダンスに通い、なるべく夕飯を抜いたら8ヶ月で10キロやせました。
途中ヘルニアが悪化したけど、まあまあ状態はよいです。あと5キロやせれば、持ってる服が大体着られる。あきらめて捨てなくてよかった。

今日は秋葉原の友達のマンションで、DVD鑑賞会をしてきた。すごいんだ。マンションの共用部分にシアタールームってのがあって、ばかでかい画面とすばらしい音響で映画が観られるの。今回は初の二本立て、マシュー・ボーン白鳥の湖(舞台収録、一部スタジオ)とファントムオブザパラダイス。マシュー・ボーンが普段バレエを見ない人にとって楽しいかどうか不安だったが、かなりウケていた。よかった。

で、観終わった後、なんとなくみんなで「無駄に持ってる派手な服」の話になったのだけど、なんかみんな1,2着は持ってる。私なんてアート過ぎて着られない(一度も着てない)ハナエモリと、マックスマーラのウエディングドレスがある。着る機会があったわけではない。そのほかに祖母の手書き友禅をリフォームしたチャイナドレスがあったり、昭和サイケにはまってたときに買ったパチモンのボーカロイドみたいなミニワンピ。もうどうしようもない。どうしようもないので、来月の鑑賞会にみんなでそういうのを持ち寄って、各自好きな服で正装して映画を鑑賞しようかということになった。ドレスアップしてなんかすっごいくだらないのを観たい。楽しいと思う。

母がものすごい着道楽で、ワールドの服を山ほど持ってた。私はあまりに服に金をかける母をどうかと思っていたが、気づけば私も確実に同じ道を歩んでいる。血か。そして着るものに無頓着だった父が、母の介護から開放されたためか「イメチェンする」と言い出した。ウエスタンスタイルがやりたいらしい。なんだそれは。荻原流行か。最近はアーチェリーを始め(75歳ですよ。大丈夫か)「マイ弓」とか言ってコスプレ小道具みたいな弓の写真を送ってきた。父よ。

で、最近はバレエとジャズダンスのクラスにはスケジュールがあわず通えなくなり、ベリーダンスをやっている。ベリーも難しい。挑戦しがいのある踊りだが、私はやはりバレエが好きだ。ワシリエフのスパルタク、プリセツカヤの白鳥、ザハーロワのカルメン、フェリのジュリエット!

バレエで思い出したけど、フレデリック・ワイズマンドキュメンタリー映画、ザ・バレエがすばらしかった。アメリカンバレエシアターというバレエ団の内幕もの?っていうの?ワイズマンはこれしか知らないが、もうものすごく感動した。先生ごとに言うことが違っているのをダンサーが混乱しながら踊りに吸収・昇華してゆく姿とか(そうするしかないからそうするんだけどものすごく消耗するんだよね)、車椅子に乗ったアグネス・デミルが「心のそこから動きたいわ!」と言いながら、それでも熱心に振り付けをする姿とか、ダンサー、ジュリー・ケントがなぜかいつもスタジオに犬を連れてくるとか、あとマネージャーがハコとのギャラ交渉を脅迫スレスレでやたらけんか腰でやってたりとか。ここでひく人が多いようだが、こういうのをドキュメンタリーが撮らなくて何が撮るんだ。ここが一番面白い。交渉の結果がどうなったのかがわからなくてじれったい。バレエの映画なんだからもっと美しいところを撮ってほしかった、とか言う人はバレエを観たらいいと思うのだが。水面下のもがく足を見せないのが舞台、暴くのがドキュメンタリーではないでしょうか。白鳥は実際は足もがいてないらしいですが。

まあ、この映画に感動を覚えるという声は少ないようでなんとなく恥ずかしいのだが、ラストに映るロミオとジュリエットの舞台で、ロミオを追ってかけてゆくジュリエット(フェリ)の後姿に、いきなりバっとエンドクレジットがかかる、その瞬間ぶわっと、ほんとにぶわっと涙が出る。この後姿は、バレエを踊る人すべての後姿だ、みんなロミオを追うジュリエットのように、バレエの星を目指してただひたすらに進むのだ、と思ってしまって。最近ほんとに涙もろくなった。
星っていうのは別に巨人の星にかけてるわけではなくって、バレエを習ってると天空から吊り下げられているつもりで、ってわりとよく言われます。重力に根ざしながら、天空を目指すのがバレエです。