高校生と介護

以前ヘルパー2級を駆け込みで取った時、意外にも「家族が要介護になったので」という理由で受講してる人が多くて驚いた。介護職につくためではなく、自分の生活に必要になったので学びに来たと。受講してみて、老人だけでなく障碍者も介護の対象だし、誰もがいつなるかわからないし、障碍を理解するのと障碍をいかに助けるかを理解する、っていうのをセットにして、中学レベルでカリキュラムに入れられてもいいんじゃないかと思った。人間の体のメカニズム、心理、それに逆らわない介護の合理、現場の話にも衝撃を受けたし、実習も人より長くさせてもらって(実習先でスカウトされた。結果として辞退したが)、「これは国民の基礎知識として知られるべきだ」と思った。
児童を労働にかりたてようとかそんなんではなく、人間理解そのものに直結すると思ったのだ。今学生に介護を学ばせようという動きがあって非難を浴びているけれど、私は学生が介護を学ぶこと自体には反対じゃない。その先の労働条件や労働力の配分はまた別の話として、学ぶ価値のあることだと思う。半身まひの人に手を貸す時、左右どちらに立つか?視覚障碍者をリードする時、どのようにすると相手のストレスがないか?車椅子はどう扱うか?知っていれば、街中で障碍のある人を見つけた時、具体的な助け方がわかる。そして自分に可能な範囲かどうかも見積もれる。その時、通常日本人なら誰もが同じ水準の技術があるとわかっていれば、他の人に助けを求めることもできる。
学校で数コマ教わったくらいで出来ることは知れているけれど、それでもゼロよりは1だ。