エスター

私は映画館が嫌いなので(寒い上に拘束される。ポップコーン食べたくないのに買ってしまう。水っぽいコーラでトイレが近くなる。なのに飲みたい)、みんなが観て評判が良かったら家で観る。で、この映画も前から気にはなってたのだけど、あまり面白くなかった。

昔のSF雑誌で、大伴昌司だったと思うけど、奇跡の人はホラーの手法で撮られている、と言ってて妙に納得した記憶があるんだがその雑誌がどっかいっちゃってないのさ。それはともかく、サリバン先生のしつけのおかげでいい子になったかに見えたヘレン・ケラーが、家族のもとに帰った途端、静かにそして急激に以前の反抗的な態度を取り戻すシーンが、そらもう怖かったんだよなあ。ヘレンは「こっち側の人間」であるという(しかも世界的偉人である)ことを観客全員がわかっているわけで、モンスターのようでモンスターではない、それだけにその怪物性に歯が立たないことのむごさがしみるのである。

エスターは最初から人間のふりをした怪物なので、あんまり深みがないというか、そのへんはエスターだって最初から凶暴な怪物ではなかったはずなので、徐々に病んでいく描写なんかがあったりするとよかったのかな。

というよりもこの映画の教訓は「男には期待するな」です。西原先生はいつもただしい。

じゃ、これからBTTF3観るから。