水は石かもしれない

最近は石を集めてる。
だいぶ前に、「なんでもいいから石を持っておくといい。一日の終わりに眺めたりしたらいい」っていうようなツイートを見て以来、ずっと石が欲しいなと思ってた。
メルカリで物色しながらさんざん迷って、「小さいころから集めていたけど手放します」っていう人からごっそりといろんな石の入ったのを買って以来、私は石の虜である。集めた石は色別に分類して(またこれが楽しいんだ)、ガラス容器に入れて枕元に置いてある。

以前はまったく興味なかったんだけどね。

石といっても色々で、まあ私はざっくり透明なのと違うのとで分けてるんだけど、形状だと、穴のあいたビーズもあれば、小石を滑らかに磨いたタンブル、球形のスフィア、六角柱に整えたピラー、原石、やたら細かいさざれ、カボションと様々で、集めているうちに自分の好みが見えてくる。まずスフィアは好きじゃない。石っぽさがない。穴は開いてないほうがいい。アクセサリーにも興味がない。さざれはもはや石じゃなくて砂だからいらない。原石はちょっとさすがに野性的すぎてもう少しこちらに歩み寄ってほしいんだけど、カボションまでいくと人工的すぎるし、タンブルがいいんですよ、やっぱ。石っぽさも残しながら、透明できれいな色で、「石!?」って感じがする。砂浜できれいな貝殻を見つけた時みたいなわくわく感があるのがいい。あまり整ってると、だれかの落とし物みたいでしょ。

毎日石を眺めていたら、だんだん感覚の置き換え?みたいな現象がおきて、温泉でお湯につかりながら「水って透明で石みたいなんだけど、あれ?もしかして石?」とか。で、だいたい温泉施設ってあちこち石じゃないですか。御影石とか。石の中に温泉が入ってるわけだけど、それだってH2Oにカルシウムやら硫黄やらバナジウムやらが溶けてるわけでしょ?実質石じゃん?で、石の中で褐色のお湯に入ってると、「あったかい十勝石の中にいるみたいだな」って思うんですよ。

私の母は人の趣味をせせら笑う人だったけど、父はそんなことしないので(まああきれてるとは思うけど)日々石を増やしてる。最近はよくいく日帰り温泉に石のガチャが設置されたので、毎日回してるんだけど、なかなか目当てのレモンクオーツが出ない。課金した総額がレモンクオーツタンブルの相場をそろそろ超えそうだ。

石の名前とかはわりとどうでもよくて、出自不明なのが好きなんだけど、無頓着に集めてたら、手持ちの石の大部分がメノウだったこともわかって、それもちょっとつまらないな、と思ってるところ。ここからは意識を新たに、お目当ての石を狙っていきたい。東京では主に石を見る予定です。